八島高明のタロット教室3

タロットの手順1

タロットは一般的にカードのシャッフルから始まり、1)カットする、2)ドローする、3)スプレッドという順を辿ります。シャッフルには2通りの方法があります。1つは「スローポーク」と呼ばれる方法。これはトランプと同様で一般的なシャッフルのこと。もう1つは「プール」と呼ばれる方法で、テーブルの上でグルグルとかき混ぜる方法です。

 

タロットの手順2

タロットをシャッフルしたあと、カットします。カットとはタロットを3つの山などに分け、再びまとめることを言います。これは省略しても構いません。要は自分自身で無理のないスタイルを確立するのが大事なのです。カットのあと、ドローを行います。ドローとは束になっているカードから、答えのカードを引くことです。一般的には上から順にとっていきます。

 

タロットの手順3

次にカードを広げることをスプレッドといいます。スプレッドには「ケルト十字法」「ホロスコープ展開法」など、たくさんのスプレッドが考案されていますが、これも同様に自分に合ったものを選択するとよいでしょう。こうした方法が「面倒くさい」という人は、最も単純な「一枚引き」でも大丈夫です。ちなみに一枚引きは最も単純な方法ですが、すばりと答えが出るという特徴があります。

 

たしかにカードをたくさん使い、見栄えのするスプレッドを使うと見た目はよいものです。これでタロットの神秘性を演出することもできるでしょう。しかし肝心のリーディングが曖昧になることもあるのです。こうした手の込んだ方法が可能になるにはしばしの時間が必要でしょう。これには潜在回路を開くという目的もあるようです。

 

タロットの目的とは

タロットを簡単に遊び的に使用してはいけません。興味本位でタロットを始めるのはお奨めできません。なぜならタロット術を使い始めると、その人の潜在意識の回路が少しずつ開いていくからです。またタロットに過度に依存してしまう危険性もあります。私もかつてはタロット術に前のめりになり、大きな失敗をしたことがありました。

 

最初タロットを覚えてくると、あまりにも的確な答えが出ることに不思議な面白さを感じるものです。そこでだんだんと何でもタロットに聞いてしまうようになるのです。ですが「タロットの回答は完璧なものではない」ということ。時にはまるで間違った回答が出てしまうことがあるのです。一時、私はタロットの答えには間違いがないと思い込んでひどい目に遭ったことがありました。ですからタロットに過度に依存してはいけませんし、あくまでも本当に自分自身で解決できない時に「先輩のアドバイス程度に聞く」というのが私のお奨めするやり方です。

 

タロットの神秘的な意味とは

タロットのシンボルやその構成を見ると、タロットがキリスト教の様々なエッセンスを絵でシンボライズしたものであることは疑えません。中世のヨーロッパはいわゆる「神の時代」でしたから、一般大衆に向けて教義をわかりやすくするためにカードが考案されたのかもしれません。

 

ただ昨今はキリスト教徒の枠を超えて世界中に広がりを見せるタロット人気をみると、それがキリスト教だけに留まらない、大きな普遍的な価値を持つことに気づかされるでしょう。実際にタロットをやってみると理解できますが、そのシンボルや構成は、私たち人間の内面をうまく表現しているのです。

 

このシンボリズムをみれば、これが古代や中世の神秘学に精通した人物の手によるのは明らかでしょう。特に「大アルカナ」と呼ばれる22枚のカードは「人間の集合無意識的な内面の世界」をよく表現しています。ちなみに私の大アルカナの解釈をその関連で言うと、

 

1)「0愚者」は創造以前のカオス世界

2)「1魔術師」は世界を創造する神

3)「2女教皇」は創造する神の英知面

4)「3女王」は創造された豊穣な大地

 

となりますし、以下に続く7番カードの「戦車」は戦士(人間の魂)が乗る肉体を表しているのです。7と言う数字はキリスト教では「聖なる神の数字」とされ、7つの神、7つの工程、7つの要素などを意味しています。以後、20番のカードは「審判」ではキリスト教の重要な教義である「最後の審判」を表し、21番のカード「世界」は至福の神の国が完成することを暗示します。このようにタロットカードはもともとキリスト教の教義を盛り込んで制作されたものですが、現代においてはキリスト教徒にとどまらず、人類全体に通じる「汎世界的な意味を持つ」とみなしても間違いではないでしょう。次のブログではタロットの本質に迫りたいと思います。

 

八島高明のタロット教室4へ続く

 

2021年01月21日